環境憲章・環境方針

琉球大学環境憲章

人間は、「地球」という生態系の一部として存在している。エコロジーの語源であるギリシャ語のオイコス(oikos)が、「家」を意味するように、地球は、多種多様な生命体の相互存在的な繋がりによって営まれるひとつの共同体である。亜熱帯の琉球弧に位置する沖縄は、ニライカナイ信仰など独特の自然観や世界観によってその豊かな文化を育んできた。地球のエコロジーという観点に立脚して琉球大学は、教育、研究、そして社会貢献の在りようを未来へと発展させていくことを宣言する。


1.自然との共存
 自然を愛し、自然と共に生きる地球市民としての自覚と誇りをもって行動する。

キャンパスは地域や地球のエコロジーと連続したひとつの「場所」である。その場所に存在する一個の生命体として、キャンパスとその周辺のエコロジーを理解し、そこに息づくさまざまな生命と共に「生命の網」の調和を保つことによって、環境意識の高い地球市民としての心豊かなキャンパスライフを実践する。


2.ひと・対話
 生命と文化の多様性を讃え、他者との対話を知の源泉とする多文化共存の環境をつくる。

どのような生命体も歴史の中で蓄積された価値ある固有の文化と風土に属している。自分以外の他者、また、自分とは異なる生物種や文化に属する他者と積極的に対話し、その多様な知恵と経験から学ぶべきことによって、自分自身のアイデンティティーを模索し、人間としていかに生きるべきかという問いを地球レベルで発想できる環境をつくる


.教育・学習
 地球社会の未来を担う自主性と想像力、創造力にあふれる人材が育つ教育・学習環境をつくる。

大学を新しい文化の発信地にする。自主性と独創性を尊重する教育を通して、地球市民としての自覚と発想を育み、将来、地球コミュニティに属する人間として向き合う様々な問題に、地域コミュニティの視点から積極的に取り組む意欲と能力を養成する場にする。


4.研究
 地球市民としての知を追究する真のアカデミズムにあふれる研究環境をつくる。

地球の生命共同体の存続は、これからのアカデミズムの在りようと深く関わっている。真のアカデミズムとは、生物圏の一員としての人間の責務を果たすべく学究活動であることを認識し、それぞれの学問分野の長い歴史の中で築かれた叡智を基礎に、さらに学際的で自由な地球市民としての発想で、琉球大学を未来へと飛翔する知の発信地にする。


5.大学の社会的責務
 循環と共生を基調とした持続可能な社会を実現する地域のコミュニティ・モデルとなる

自然環境に対する高い意識と闊達なコミュニケーションを大学というコミュニティの中で実践する。大学内、地域、地球の人々を繋ぐ優れたコミュニケーション・システムを実現することにより、様々なコミュニティとのインターアクティヴな関係を構築し、研究や教育の成果を積極的に還元する。常に社会を啓発し、社会や文化の活性化に貢献するという本来の大学の責務を果たす。


琉球大学環境方針

平成18年10月18日 制定
令和 3年10月 7日 改正

琉球大学は、「琉球大学環境憲章(平成13年4月24日制定)」において示された基本理念に基づき、持続可能な社会の形成に向け、学生と教職員が一体となって以下の環境行動を推進する。

  • 1.総合大学の強みを生かし、人と自然、社会、そして文化を融合する環境教育に関わるカリキュラムを整備する。
  • 2.生物多様性の保全と持続的な利用のための国際ルールを遵守しつつ、島嶼・亜熱帯地域の自然生態系と人間活動に関する学術研究を推進する。
  • 3.地域社会と連携し、環境に関連する啓発教育、技術の普及等に努める。
  • 4.自然生態系の保全に配慮した美しいキャンパス景観をつくる。
  • 5.環境マネジメントシステムを構築し、教育・訓練を実施して、システムの継続的改善を図る。
  • 6.環境関連法規・規制・協定等を遵守し、大学が環境に与える負荷を減らすとともに、環境問題の発生を予防する。
  • 7.資源の効率的利用(省資源、省エネ、節水、リサイクル等)に努め、脱炭素社会に向けた取組み、水体系の水質保全、廃棄物の排出量削減への取組み、化学物質の使用・廃棄に関する適正管理を行う。
  • 8.環境報告書、公式ホームページ等を通じ、学内外における良好な環境コミュニケーションの形成に取り組む。